文献調査

卒論の先行研究の探し方:3 時間で 30 本に絞るまでの手順

卒論の先行研究を、キーワードの決め方から引用をたどる方法まで順に説明します。検索語が思いつかないとき、論文が多すぎるとき、逆に 1 本も出ないときの対処も書きます。

この記事は AI を使って下書きし、公開前に人が内容を確認しています。

先行研究を探す作業は、検索窓に言葉を入れる前に決めることがあります。そこを飛ばすと、検索結果が多すぎるか、逆に 1 本も出ないかのどちらかになります。この記事では、テーマの言葉を決めるところから、読む 30 本に絞るところまでを順に説明します。

先に決める 3 つのこと

検索を始める前に、次の 3 つを紙に書き出してください。

  1. 対象。何を調べるのか。「大学生」なのか「日本の大学生」なのか「日本の大学生のアルバイト」なのかで、出てくる論文の数が 2 桁変わります。
  2. 観点。対象の何を見るのか。実態を知りたいのか、原因を知りたいのか、効果を測りたいのかで、探すべき論文の種類が変わります。
  3. 時期。いつからの研究を見るのか。分野によっては 10 年前の結論が置き換わっているので、最初は直近 5 年に区切って全体像をつかむほうが早く進みます。

この 3 つが決まっていないうちは、検索語をいくら工夫しても結果が絞れません。指導教員に相談するときも、この 3 つを持っていくと話が速く進みます。

検索語を作る

決めた 3 つを、そのまま検索窓に入れても目的の論文は出てきません。論文の中で使われている言葉に置き換える必要があります。

置き換えの手掛かりは 3 つあります。

  • 教科書の索引。分野の教科書の巻末索引には、その分野で通用する用語が並んでいます。
  • 既に見つけた 1 本の論文のキーワード欄。論文には著者が付けたキーワードが載っています。そこに書かれた語は、同じ分野の他の論文でも使われています。
  • 統制語彙。医学分野のMeSHのように、分野ごとに用語を統一した一覧が用意されている場合があります。日本語の分野なら、CiNii Researchの件名からたどれることがあります。

たとえば「大学生のアルバイトが成績に与える影響」を調べるとき、論文側では「就労時間」「学業成績」「学生アルバイト」といった語が使われています。日常の言い方のままでは、これらの論文に届きません。

どこで探すか

日本語の卒論では、次の 4 つを順に使うと過不足が少なくなります。

使う場所 収録の範囲 向いている場面
Google Scholar 分野と言語を問わず広い 最初の 1 本を見つける
CiNii Research 日本の学術論文と学位論文 日本語の先行研究を網羅する
J-STAGE 日本の学協会の刊行物 本文を無料で読める論文を探す
PubMed 医学と生命科学 医療や健康に関わるテーマ

最初はGoogle Scholarで広く探し、日本語のテーマならCiNii Researchで取りこぼしを拾う流れが現実的です。分野が医学に近いならPubMedを足します。

1 本見つけたら、そこから広げる

先行研究の探し方で最も効率が良いのは、検索語を工夫することではありません。見つけた 1 本から引用をたどることです。方向が 2 つあります。

  • 後ろ向き。その論文の参考文献リストをたどります。その論文より前に出た、関連する研究が並んでいます。
  • 前向き。その論文を引用している論文をたどります。Google Scholarの「引用元」から見られます。その論文より後に出た研究が並びます。

この 2 方向を 2 段階たどると、分野の主要な論文はほぼ出そろいます。同じ論文が何度も出てくるようになったら、その分野の中心にある研究に届いたということです。

Litlasでは、論文を開くとその論文が引用している文献と、その論文を引用している文献が図で並びます。どちらの方向にも画面を離れずにたどれるので、タブを行き来する手間が減ります。無料プランはカード登録なしで今すぐ使えます。

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30 本に絞る

引用をたどると、候補は 100 本を超えます。全部は読めないので、次の順で落とします。

  1. 題名と要旨だけを読む。テーマから外れているものをここで落とします。この段階で半分以下になります。
  2. 被引用数を見る。同じ時期に出た論文の中で引用が多いものは、その分野で参照される位置にあります。ただし出たばかりの論文は引用が少ないので、出版年をそろえて比べてください。
  3. 入手できるかを確かめる。本文が読めない論文は、いま読む対象から外します。所属する大学の図書館で取り寄せられる場合があるので、どうしても必要なら図書館に相談してください。

残った 30 本を、要旨だけ読む層と全文を読む層に分けます。全文を読むのは 10 本ほどで足ります。読み方は 3 回読む方法にまとめました。

1 本も出ないとき

検索結果が 0 件のときは、次の順に疑ってください。

  • 検索語が具体的すぎる。3 語を 2 語に減らします。「日本大学生アルバイト成績」を「学生就労成績」にすると出ることがあります。
  • その言葉が学術用語ではない。教科書の索引や、既に見つけた論文のキーワード欄で言い換えを探します。
  • 日本語で研究されていない。英語で探し直します。日本語で 0 件でも、英語では数百件あるテーマは珍しくありません。

それでも出ない場合、テーマが新しすぎるか、対象が狭すぎます。対象を 1 段広げて探し直し、見つかった研究との差分を自分の研究の位置づけにするほうが、卒論としては書きやすくなります。

多すぎるとき

1,000 件を超えるときは、次の順に絞ります。

  • 出版年で区切る。直近 5 年に限ると、全体像をつかむのに適した数になります。
  • 論文の種類で区切る。総説(レビュー論文)だけに絞ると、その分野をまとめた論文が出てきます。最初の 1 本にはこれが適しています。
  • 語を足す。対象か観点のどちらかを足します。両方を一度に足すと、絞りすぎになることがあります。

記録の残し方

探した過程を残しておくと、卒論の「先行研究」の節をそのまま書けます。最低限、次の 3 つを控えてください。

  • どの検索場所で、どの語を、いつ検索したか
  • 何件出て、そのうち何件を読む対象にしたか
  • 落とした論文について、なぜ落としたか

この記録は、指導教員に進捗を説明するときにも使えます。手で控えるのが面倒なら、検索した論文をメモ付きで保存できる場所にまとめておくと、あとで並べ替えられます。