Zoteroに論文をためて、Obsidianでノートを書く人は多いです。この 2 つは別のソフトなので、どちらかに寄せるか、間をつなぐかを決める必要があります。つなぎ方は大きく 3 つあり、必要な手間と壊れやすさが違います。
3 つの方法を先に比べる
| 方法 | 必要な手間 | 更新の反映 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| プラグインでつなぐ | 初期設定に 30 分ほど | Zotero側の変更を取り込み直せる | 論文を継続的に読む人 |
| BibTeXを書き出す | 5 分 | 書き出し直しが必要 | 執筆の直前だけ必要な人 |
| つながない | なし | 手で貼る | 扱う論文が数十本の人 |
以下でそれぞれを説明します。読む順を飛ばして、自分に当てはまるところだけ読んでも進められるように書いています。
方法 1:プラグインでつなぐ
Obsidian側にプラグインを入れて、Zoteroのライブラリを読み込む方法です。論文 1 本につきノート 1 枚を自動で作り、そこに書誌情報と引用文を流し込みます。
必要なものは 3 つです。
- Zotero本体。読み込む側はZoteroが起動している状態を前提にすることがあるので、作業中は開いたままにしてください。
- Better BibTeX。Zotero側の拡張です。引用キーを安定させる役割があります。これを入れないと、論文を追加するたびに引用キーが変わることがあります。
- Obsidian側のプラグイン。コミュニティプラグインから文献取り込み用のものを選びます。
設定の要点は、ノートの雛形(テンプレート)を決めることです。雛形には、題名、著者、出版年、要旨、そして自分のメモを書く欄を置きます。あとから雛形を変えても、既に作ったノートは自動では変わりません。ノートを作り始める前に雛形を固めてください。
壊れやすい箇所
- 引用キーが変わる。Better BibTeXを入れずに始めると、ノート同士のリンクが切れます。最初に入れてください。
- 同じ論文のノートが二重にできる。取り込みを 2 回走らせたときに起きます。ノートのファイル名を引用キーで固定しておくと防げます。
- Zoteroを閉じていると取り込めない。プラグインによっては、Zoteroが起動していないと何も起きずに終わります。
方法 2:BibTeXを書き出す
つなぎ続けるのではなく、必要なときにZoteroから書き出す方法です。
- Zoteroでコレクションを右クリックします。
- 「コレクションを書き出す」を選びます。
- 形式にBibTeXを選んで保存します。
- 保存したファイルをObsidianの保管庫(vault)の中に置きます。
これだけです。ノートからは、引用キーを手で書いて参照します。LaTeXで書いている場合は、書き出した.bibをそのまま原稿から参照できます。
この方法の利点は、壊れる箇所が少ないことです。欠点は、Zotero側で論文を足すたびに書き出し直す必要があることです。執筆の締め切り前だけ使うなら、この方法で十分です。
書き出しの詳しい手順はBibTeXで引用文献を書き出すにまとめました。
方法 3:つながない
扱う論文が数十本なら、つながないほうが速い場合があります。
Obsidianのノートに、論文の題名とDOIと自分のメモだけを書きます。書誌情報の整形は、原稿を書く段階でまとめて行います。つなぐための設定が要らず、プラグインの更新で壊れることもありません。
論文が 100 本を超えたあたりから、手で書く負担が設定の手間を上回ります。そのときに方法 1 か方法 2 へ移ってください。
どれを選ぶか
次の順で考えると決まります。
- 論文を毎週読むなら、方法 1 です。初期設定の 30 分は、数か月で取り返せます。
- 論文は読むが、ノートは論文単位で作らないなら、方法 2 です。
- 扱う論文が数十本で完結するなら、方法 3 です。
迷ったら方法 2 から始めてください。あとから方法 1 へ移るときに、書き出した.bibがそのまま使えます。
ZoteroとObsidianの外で完結させる
そもそも、論文を探す場所とメモを書く場所を分けなければ、つなぐ作業自体が要らなくなります。
Litlasでは、論文を検索してそのまま保存し、その論文にメモを書けます。引用グラフから関連する論文をたどって、同じ画面で保存できます。BibTeXとRISでの書き出しにも対応しているので、原稿を書く段階でZoteroやObsidianへ渡すこともできます。無料プランはカード登録なしで今すぐ使えます。
既にZoteroに数百本ためている場合は、この記事の方法 1 か方法 2 でつなぐほうが現実的です。これから集め始めるなら、分けずに 1 か所で済ませる形も選べます。
